代表理事ご挨拶

代表理事の思い。

 戦後の日本は、出生数が多く、年齢を重ねるごとに人口が減少していくことから、人口ピラミッドは三角形を呈していました。その後日本は、めざましい経済成長とともに先進国の仲間入りを遂げ、世界の中でも有数の長寿国になりました。最近は高齢者の人口増加のために、人口ピラミッドは壺のように真ん中が膨らむ壺型を呈していますが、2050年にはその形が逆三角形に近くなることが予想されています。その背景として、世界に類を見ない国民皆保険である医療保険制度に支えられてきたことが一因と考えられますが、現在超高齢社会を迎えている日本において、皮肉にも医療費が高騰しており、これまで当たり前であった医療保険制度が近い将来、崩壊するかもしれません。また、医療保険制度が運用されているとはいえ、高齢者の医療機関の受診率は高く、しかも慢性的な多臓器疾患であるため、継続的な通院となることから、高齢者にとっても医療費は家計を圧迫するほどの負担になっているのも事実です。
平均寿命が高くても、健康寿命が高くなければ真の意味での長寿国とは言えず、元気な日本であるためにも、老若男女が医療や介護に依存しない生活が送れることが望まれます。よって日頃から健康を維持するための知識を持ち、確立されたエビデンスを実践していくことは非常に重要です。医学的な知識を享受し、病気に罹患しないように予防していくことはこれに値しますが、一方で健康は医だけに限ったことではありません。人が生活していく中で基礎となる衣食住など、我々を取り巻く環境には多種多様なものがあり、それぞれの専門家からさまざまなアドバイスを受けることは、生活の質の向上につながります。高齢化が進んでいる日本において、国民が元気であり続けるためにも、一人一人が健康に関する正しい知識を持ち、理解を深めることが大切です。
「くまもとハートの会」は、心肺蘇生法の普及を目的に設立された団体であり、現在もその活動を続けています。一方で、日常生活が制限されることなく末永い生活を人々が送るための健康をテーマにした包括的な学問を追究・発展させることだけでなく、国民全体における健康増進を目的とした社会的な活動を図るためにも、「くまもとハートの会」は一般社団法人として再出発いたしました。職種など全く問いません。多くの同志のご参加とご支援をよろしくお願い申し上げます。